日本画について

江戸末期以降、西洋の油絵等の技法が普及し始めたとき、西洋画との区別を設けるために、日本画という言葉が生まれました。
油絵は乾湿油で、日本画は膠でというふうに、顔料を何で溶くかの違いが、その違いの一つとして揚げられます。
しかし、西洋絵画にも、膠を使った膠絵は存在するので、それだけで区別することはできません。使う顔料は、基本的に同じで、鉱石、動植物系の染料を体質顔料(無色の顔料)に染めつけたレーキ顔料、土を精製したいわゆる泥絵の具だったりします。
同じ、顔料を使っていても、気候や風土により、また、何で溶くか、何に描くかにより、発色や、描いてからの経年変化が違うので、描かれた地域によって、たくさんある顔料の中でも、その地域の風土や文化にあうものが選択され、洗練されていきました。
あえて言うならば、その選択と洗練が、どのような美意識で、どのようになされてきたかが、日本画と他の国の絵画との違いといえるかもしれません。
ご存知のように、日本の気候には、四季があり、緑と水に恵まれた特色のある風土であり、そこから生まれた日本独特の美意識があります。
日本画に使われる伝統的顔料は、まず、膠で溶いたときに美しく発色することを条件に、そういった美意識から選択され、選り抜かれてきたものだと思います。
ただ、現在は、情報化社会で世界中の美しい色や形を目にすることができ、いろんな価値観を知ることができます。もちろん体験の伴わない情報は、知識として知るという範疇を越えないわけですが…
また、年中エアコンの利いた部屋に暮らし、夏野菜も冬野菜もない時代に住んでいる多くの現代人にとっての美意識は、昔とは違ってきているのは当然といえるでしょう。
加えて、現在では、さまざまな人工による岩絵の具なども開発され、人によっては、アクリル等他の材料と混合して使ったり、支持体も和紙や絹だけではなく、油彩用のキャンバスを使ったり、布を使ったりとさまざまな方法が試みられています。
そう考えると、日本画という定義を設けること自体が、もう意味を失っているのかもしれません。
ただ、日本画の岩絵の具には、同色でも粒子の大きさで区分が設定されています。
大きいものより1番から13番、一番細かいものを白(びゃく)といいます。
これは、他の地域には類を見ないものだったようです。
尤も最近では、中国でも日本画用に番号の違いを設けたえのぐを生産、販売されており、
日本でも、中国物産展などで、これらの絵の具を比較的安価に購入することができます。
日本で生産される岩絵の具と比べると、若干精度に違いがあるという声も聞こえます。

 

日本画の技法 

日本画の素材 

 



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